名匠マーティン・スコセッシ監督が、レオナルド・ディカプリオとマット・デイモンという2大スターを迎えて放った傑作サスペンス『ディパーテッド』。警察とマフィア、それぞれに潜入した2人の男が、正体を隠しながら互いの「ネズミ(内通者)」を暴こうと命がけの心理戦を繰り広げます。最後まで一瞬も目が離せない本作のみどころと魅力を、ご紹介します。
『ディパーテッド』作品データ
日本公開日: 2007年1月20日
配給会社: ワーナー・ブラザース映画
監督: マーティン・スコセッシ
脚本: ウィリアム・モナハン
主なキャスト: レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン、ジャック・ニコルソン、マーク・ウォールバーグ
上映時間: 152分
受賞歴: 第79回アカデミー賞4部門受賞(作品賞、監督賞、脚色賞、編集賞)
原作着想: 香港映画の傑作『インファナル・アフェア』をベースに着想
印象的な地域・場所: アメリカ・マサチューセッツ州ボストン(犯罪が渦巻く南ボストンの街並みや、張り詰めた空気が漂うビルの一室など)
動画配信サービス: Amazon Prime Video、U-NEXT、Hulu、Apple TV、Netflix、YouTube、Google Playなどで配信中(2026年現在)
簡単なあらすじ
舞台は、アイリッシュ・マフィアが街を牛耳るボストン。
警察学校を優秀な成績で卒業したビリーは、身内をマフィアに持つ複雑な生い立ちから、組織への潜入捜査を命じられます。髪を染め、犯罪者に身を落としてボスの信頼を勝ち取っていくビリー。
一方、マフィアのボスであるコステロの手によって育てられたコリンは、内通者として警察組織へと送り込まれます。コリンはエリート警察官として急速に出世し、マフィアの捜査情報を組織へ流し続けます。
互いの存在を知らぬまま、それぞれの組織で暗躍する2人。しかし、警察とマフィアの双方が「身内に裏切り者がいる」と気づいたことで、事態は一変します。正体がバレれば確実に死が待つ極限状態のなか、どちらが先に相手の正体を暴くのか、息詰まる「ネズミ捕り」が始まります。
感想・レビュー おすすめ度:B(面白い)
全編を通じて漂う圧倒的な緊張感と、先が読めない巧みな展開にグイグイと引き込まれる良質なエンターテインメント作品です。
何よりも素晴らしいのは、レオナルド・ディカプリオとマット・デイモンという2人の演技合戦です。正義の側にいながらも、犯罪に手を染める偽りの日々に精神をすり減らしていくディカプリオの悲壮感。そして、悪の申し子でありながら、スマートで清潔感あふれるエリート警察官を完璧に演じ分けるデイモンの冷徹さ。この2人の対比が、物語の緊張感を最高潮に高めています。
さらに、マフィアのボスを演じたジャック・ニコルソンの怪演が、作品の重厚感を一段と引き締めています。彼の放つ圧倒的な威圧感と予測不能な狂気は、画面越しでも背筋が凍るほどのインパクトです。
元となった香港映画の情緒的な雰囲気とは異なり、こちらはアメリカの都市の光と影、そして人間のエゴや孤独を生々しく、かつテンポよく描き出しています。暴力描写がやや強烈な部分もあるため好みが分かれるかもしれませんが、サスペンスとしての完成度は間違いなく一級品です。映画が終わった後、心地よい疲労感とともに「お見事」と拍手を送りたくなるような、大人も若者も等しく熱中できる見応え十分の一本です。

