セカンドライフの楽しみとして、歴代の本屋大賞第1位をすべて読むことに挑戦しようと思います。今までに読んだ作品もたくさんありますが、もう一度最初からじっくり読み返していく予定です。
エンターテインメントとして楽しむのはもちろん、一流の作家が持つ独自の世界観に触れることで、自分の世界を広げ、日々の暮らしに新しい刺激を取り入れたいです。洗練されたストーリーや文章から刺激をもらい、自分の感性を心地よく磨いていけたらと思っています。
これまでの本屋大賞第1位の作品を年代別にまとめましたので、ぜひみなさんの読書リストの参考にしてみてください。
本屋大賞のランキング1位は、全国の書店員が「今一番おすすめしたい」と熱意を込めて選んだ、その年を代表する最高に面白い一冊です。毎年4月頃に受賞作が発表されます。
2010年代の受賞作は、心温まるエンターテインメント性と深い人間ドラマが融合している点が特徴です。映像化された話題作も多く、読者の心に寄り添う傑作が揃っています。この年代で特に評価が高いのは、言葉への情熱を描いた三浦しをん氏の『舟を編む』と、温かな絆が涙を誘う瀬尾まいこ氏の『そして、バトンは渡された』の2作品です。どちらも登場人物の心理描写が巧みで、大人の鑑賞に堪えうる文学的な品格を備えています。
また、惜しくも1位を逃したものの、専門家から今なお最高峰と称されるのが、2014年に2位となった木皿泉氏の『昨夜のカレー、明日のパン』です。大切な人を亡くした人々の悲しみと再生を、ユーモアを交えて静かに描いた名作です。悲劇をただ悲しいままで終わらせない、優しく洗練された筆致は一読の価値があります。ランキングの順位にとらわれず、いつまでも色褪せない輝きを放ち続ける、大人のための極上の物語です。
そして、バトンは渡された 瀬尾まいこ 2019年(第16回)
血の繋がらない親たちを渡り歩き、4回も苗字が変わった少女・優子。しかしそこにあったのは、不幸ではなく、形を変えて溢れ出す特別な愛情の物語でした。
本作は、一見複雑な家庭環境に置かれた主人公が、周囲の大人たちから深い慈しみを受けて育つ姿を温かく描いています。血縁を超えた絆の尊さと、誰かを愛することの真摯な美しさに心が洗われます。読後に爽やかな感動と優しい余韻が広がる、本屋大賞受賞の大傑作です。
◾️作品データ
作家:瀬尾まいこ(せお・まいこ)
発売日:2018年2月22日(単行本) / 2020年9月2日(文春文庫)
出版社:文藝春秋
受賞歴:2019年 本屋大賞 受賞(ほか、ブランチBOOK大賞2018、キノベス! 2019など)
初出:書き下ろし作品
構成・ボリューム:全2部構成 / 文庫版 425ページ(読了目安:約4〜5時間)
キーワード:家族の形、血縁なき絆、バトンリレー、餃子、ピアノの合唱曲
本に出てくる印象的な地域・場所:優子と森宮さんが暮らす穏やかな家、高校の音楽室
おすすめの読者:温かい涙を流したい方、人間関係や優しさに少し疲れを感じている大人の女性・男性
電子書籍サービス:Amazon Kindle、楽天Kobo、honto、BookLive! など主要サービスで配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:Amazon Audibleにて配信中(ナレーター:島田奈歩さん / 再生時間:11時間52分)(2026年現在)
かがみの孤城 辻村深月 2018年(第15回)
2018年本屋大賞を受賞した、辻村深月氏による珠玉のファンタジーミステリーです。学校に居場所をなくした7人の中学生が、部屋の鏡を通り抜けた先にある不思議な城で出会うことから物語は始まります。なぜ彼らが集められたのか、城に隠された秘密とは何なのか。すべての謎が明かされる終盤の伏線回収は圧倒的で、深い感動に包まれます。子どもだけでなく、かつて子どもだったすべての大人に深く刺さる名作です。
◾️作品データ
作家: 辻村深月(つじむら みづき)
発売日: 2017年5月11日(単行本) / 2021年3月(文庫版・上下巻)
出版社: ポプラ社
受賞歴: 2018年 第15回本屋大賞 第1位、ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR 2017 第1位など
初出: ポプラ社のPR誌『asta*』での連載を経て、単行本として書き下ろし・大改作され刊行
構成・ボリューム: 全3部構成(「一学期」「二学期」「三学期」) / 単行本1冊(約550ページ)、文庫版上下巻
キーワード: 不登校、鏡の先の城、オオカミさま、7人の中学生、願いの鍵、伏線回収
印象的な場所: こころの自室(光る鏡)、海に浮かぶおとぎ話のような「不思議な城」、雪科第五中学校
おすすめの読者: 日常に生きづらさを感じる方、上質なミステリーを読みたい大人、かつて中学生だったすべての人
電子書籍サービス:Amazon Kindle、楽天Kobo、ブックライブ、hontoなど主要サービスで配信中(2026年現在)オーディオブックサービス:audiobook.jp、Amazon Audibleにて配信中(ナレーター:花守ゆみり、東山奈央、島﨑信長など豪華声優陣)(2026年現在)
蜜蜂と遠雷 恩田陸 2017年(第14回)
直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の傑作小説です。国際ピアノコンクールを舞台に、生い立ちも才能も異なる4人の若きピアニストたちが競い合い、成長していく姿を瑞々しく描いています。最大の魅力は、贅沢なまでに緻密な音楽描写。文字を追うだけで美しい旋律や圧倒的な熱量が耳元に響き渡るような、特別な読書体験が味わえます。クラシックに詳しくない大人も、一瞬で物語の虜になる極上のエンターテインメントです。
◾️作品データ
作家:恩田陸
発売日:単行本:2016年9月23日 / 文庫本:2019年4月(上下巻)
出版社:幻冬舎
受賞歴:第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞をダブル受賞
初出:『星星峡』(2009年4月号〜2013年11月号)、『ポンツーン』(2014年1月号〜2016年5月号)連載を大幅加筆・修正
構成・ボリューム:単行本全512ページ(文庫版は上・下巻の2冊構成)
キーワード:クラシックピアノ、国際コンクール、天才の葛藤、青春群像劇、恩田陸の集大成
本に出てくる印象的な地域・場所:芳ヶ江国際ピアノコンクールの舞台(モデルは静岡県浜松市)、海の見えるピアノ室、養蜂場
おすすめの読者:音楽やアートが好きな方、目標に向かってひたむきに努力する姿に胸を熱くしたい大人
電子書籍サービス:Amazon Kindle、楽天Kobo、honto、BookLiveなどの主要電子書籍ストアで配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:Amazon Audibleにて、島﨑信長さん・佐倉綾音さんの朗読で配信中(2026年現在)
羊と鋼の森 宮下奈都 2016年(第13回)
2016年の本屋大賞を受賞した宮下奈都さんの名作です。一人の青年がピアノの調律という仕事に出会い、壁にぶつかりながらも、ひたむきに自らの道を探し求めて成長していく姿が描かれています。本作の魅力は、目に見えない「音」や「才能」を、まるで美しい景色のように描き出す静謐な文章にあります。劇的な事件は起きませんが、丁寧に紡がれる言葉が疲れた心にそっと染み渡る、皆さんに読んでほしい至高の成長物語です。
◾️作品データ
作家:宮下奈都
発売日:2015年9月15日(単行本) / 2018年2月9日(文庫本)
出版社:文藝春秋
受賞歴:第13回本屋大賞、キノベス!2016第1位、王様のブランチブックアワード2015大賞
初出:『別册文藝春秋』2013年11月号〜2015年3月号(連載)
構成・ボリューム:全1章(章分けなしで静かに流れる長編小説、文庫版:約250ページ)
キーワード:ピアノ調律、森の匂い、才能と努力、ひたむきな成長、職人の世界
本に出てくる印象的な地域・場所:北海道の小さな町、主人公が育った深く静かな「山・森」
おすすめの読者:自分の仕事や生き方に悩み進むべき道を探している人、美しい文章に癒やされたい大人
電子書籍サービス:Kindle、楽天Kobo、BookLive、honto、Reader Storeなどの主要サービスで配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:Amazon Audibleにて配信中(ナレーター:村上聡)(2026年現在)
鹿の王 上橋菜穂子 2015年(第12回)
強大な帝国が支配する地で、突如として発生した謎の死病。その病から生き延びた孤独な戦士・ヴァンと、病の治療法を追う天才医師・ホッサル。過酷な運命に翻弄される二人の男の視点から、命の繋がりや他者との共生を壮大なスケールで描いた圧倒的なファンタジー小説です。緻密な医療描写と重厚な人間ドラマが見事に融合し、過酷な現実を生き抜く強さを現代の私たちに静かに問いかけてくる傑作です。
◾️作品データ
作家:上橋菜穂子(文化人類学者・ファンタジー作家)
発売日:2014年9月25日(単行本・上下一斉発売)
出版社:KADOKAWA
受賞歴:2015年 第12回本屋大賞、第4回日本医療小説大賞をダブル受賞
初出:書き下ろし(雑誌連載等を経ずに単行本として一挙刊行)
構成・ボリューム:単行本は全2巻(上・下)、角川文庫版は全4巻
キーワード:医療サスペンス、謎の疫病(黒狼熱)、東乎瑠帝国、共生、父娘の絆
本に出てくる印象的な地域・場所:囚われの「岩塩鉱」、豊かな自然が残る先住民の故郷「アカファ」
おすすめの読者:重厚な人間ドラマや緻密な医療描写を好む、読み応えのある小説を求める大人
電子書籍サービス:Amazon Kindle、BOOK☆WALKER、コミックシーモアなどで配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:Amazon Audibleにて、声優・荻野晴朗さんの朗読で全巻配信中(2026年現在)
村上海賊の娘 和田竜 2014年(第11回)
2014年の本屋大賞を受賞した、和田竜氏による壮大な歴史小説です。舞台は戦国時代。瀬戸内海を支配し「海賊王」と恐れられた村上武吉の娘・景(きょう)が主人公です。彼女は容姿端麗とは言えないものの、男勝りで並外れた武勇の持ち主でした。織田信長の大軍に立ち向かうため、彼女が難波の海へと出陣するシーンから物語が大きく動き出します。史実に基づく圧倒的なスケールと、海の男たちの熱い生き様が胸を打つ大傑作です。
◾️作品データ
作家:和田竜(代表作に『のぼうの城』『忍びの国』など)
発売日:単行本:2013年10月22日 / 文庫版(全4巻):2016年6月〜7月発売
出版社:新潮社(文庫レーベル:新潮文庫)
受賞歴:2014年 本屋大賞 第1位、第35回 吉川英治文学新人賞受賞
初出:書き下ろし作品
構成・ボリューム:単行本:全2巻(上・下) / 文庫版:全4巻(一〜四) / コミック版も全13巻で発売中
キーワード:戦国時代、村上水軍、木津川口の戦い、織田信長、豪快ヒロイン、最強水軍
本に出てくる印象的な地域・場所:能島・因島(瀬戸内海の海賊の本拠地)、難波海・木津川河口(大坂本願寺を巡る決戦の舞台)
おすすめの読者:迫力ある戦闘描写が好きな方、型破りな強い女性主人公に惹かれる方、壮大な歴史エンタメを楽しみたい方
電子書籍サービス:Amazon Kindle、楽天Kobo電子書籍ストア、ブックライブなど主要各社で合本版も含め配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:現在、大手配信サブスク(Amazon Audibleやaudiobook.jp)での公式オーディオブック化(音声朗読配信)は行われていません。(2026年現在)
海賊とよばれた男 百田尚樹 2013年(第10回)
2013年の本屋大賞を受賞した百田尚樹氏の傑作経済小説です。出光興産の創業者をモデルに、戦前から戦後の激動期を駆け抜けたカリスマ経営者・国岡鐡造の生涯を描いています。敗戦で全てを失うどん底の状況から、社員の誰一人として解雇せず、強い絆を武器に会社を再興させていく姿は圧巻です。世界を相手に果敢に挑み続けた日本人の誇りと心意気が、読む人の胸を熱くする感動のビジネス人間ドラマです。
◾️作品データ
作家:百田尚樹(ひゃくた なおき)
発売日:単行本:2012年7月11日 / 文庫本(上下巻):2014年7月15日
出版社:講談社 [1]
受賞歴:2013年 第10回本屋大賞 第1位
初出:書き下ろし単行本として刊行
構成・ボリューム:上下巻構成(単行本:計約750ページ / 文庫本:計約940ページ)
キーワード:出光興産、国岡商店、実話ベース、日章丸事件、カリスマ経営者
本に出てくる印象的な地域・場所:門司(福岡県)、満州、アバダン(イラン・ホルムズ海峡)
おすすめの読者:モチベーションを高めたいビジネスパーソン、胸が熱くなる人間ドラマが好きな方
電子書籍サービス:Amazon Kindle、Rakuten Kobo、BookLive、hontoなど主要各社で配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:audiobook.jp(豪華キャストによるオーディオドラマ版:中村雅俊、國村隼、江原正士 ほか)、Amazon Audible(全編単独朗読:井上和彦)(2026年現在)
舟を編む 三浦しをん 2012年(第9回)
三浦しをんさんの本屋大賞受賞作『舟を編む』は、新しい辞書の完成を目指す人々の情熱を描いた名作小説です。言葉に不器用な主人公が、個性豊かな同僚たちと共に膨大な歳月をかけて言葉の海と向き合います。地道で果てしない作業の先にある彼らの絆や、一途なものづくりの姿は、大人の胸に深く響きます。私たちが何気なく使う言葉の尊さに気づかされ、読後は心地よい余韻と前向きな勇気をもらえる一冊です。
◾️作品データ
作家:三浦しをん氏
発売日:2011年9月16日(単行本) / 2015年3月12日(光文社文庫)
出版社:光文社
受賞歴:2012年 本屋大賞 第1位
初出:女性ファッション雑誌『CLASSY.』2009年11月号~2011年7月号(連載)
構成・ボリューム:全5章(文庫版:約350ページ)
キーワード:辞書編纂、言葉の海、職人魂、不器用な恋、大渡海
本に出てくる印象的な地域・場所:本郷界隈(下宿「早雲荘」がある東京の下町エリア)出版社「玄武書房」の辞書編集部(物語のメイン舞台)
おすすめの読者:何かに熱中したい人、言葉を大切にしたい大人のビジネスパーソン
電子書籍サービス:Kindle、楽天Kobo、BookLive、hontoなどで主要電子書籍として配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:日本語版の公式オーディオブック(全編朗読)は現在未配信です。英語版『The Great Passage』のみAudibleで配信中(ナレーター:Brian Nishii)(2026年現在)
謎解きはディナーのあとで 東川篤哉 2011年(第8回)
2011年の本屋大賞を受賞した『謎解きはディナーのあとで』は、世界に誇る大富豪の令嬢でありながら新米刑事の麗子と、彼女に仕える毒舌な執事・影山が織りなす本格ミステリです。
難事件に頭を悩ませる麗子に対し、影山がディナーの席で「お嬢様の目は節穴でございますか?」と容赦ない暴言を放ちながらも、鮮やかに事件を解決へと導きます。ユーモアあふれる二人の掛け合いと、上質な謎解きを軽快に楽しめる名作です。
◾️作品データ
作家:東川篤哉
発売日:単行本:2010年9月2日 / 文庫本:2012年10月5日
出版社:小学館
受賞歴:2011年 第8回本屋大賞 第1位
初出:小学館の小説誌『きらら』連載(2009年〜2010年掲載分)
構成・ボリューム:全6編の連作短編集(単行本:全256ページ / 文庫本:全352ページ)
キーワード:毒舌執事、令嬢刑事、安楽椅子探偵、ユーモアミステリ、格差コンビ
印象的な地域・場所:東京都国立市(舞台となる国立署の管轄地域)、宝生家の大豪邸
おすすめの読者:読書に不慣れな方、クスッと笑える軽快なミステリや安楽椅子探偵ものが好きな方
電子書籍サービス:Kindle、BOOK☆WALKER、hontoなどで好評配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:audiobook.jp(ナレーター:松井恵理子、浪川大輔、白井悠介、岩田光央らによる豪華キャスト版)、Audible(ナレーター:福沙奈恵による完全朗読版)(2026年現在)
天地明察 冲方丁 2010年(第7回)
日本の暦作りに人生を捧げた実在の天文学者、渋川春海の波乱に満ちた生涯を描いた名作です。
碁打ちの家系に生まれながら、算術と天文に情熱を燃やす青年が、800年もの間ズレたまま使われていた暦の改訂という一大国家プロジェクトに挑みます。
数々の挫折や陰謀に巻き込まれながらも、純粋な情熱と知性を武器に星空へ立ち向かう姿が胸を打ちます。知的好奇心を刺激され、何かに夢中になる素晴らしさを思い出させてくれる傑作です。
◾️作品データ
作家: 冲方 丁(うぶかた とう)
発売日: 2009年11月30日(単行本) / 2012年5月18日(文庫本・上巻)
出版社: KADOKAWA(刊行当時は角川書店)
受賞歴: 第7回本屋大賞、第31回吉川英治文学新人賞、第143回直木賞候補
初出: 書き下ろし作品
構成・ボリューム: 全5章(第一幕〜第五幕) / 文庫本で上下巻(または特別合本版)
キーワード: 改暦プロジェクト、和算(数学)、天文学、囲碁、渋川春海、徳川幕府
印象的な地域・場所: 江戸(城碁の舞台)、京都(土御門家)、全国の北極出地(天体観測の旅)
おすすめの読者: 知的好奇心旺盛な大人、プロジェクトX的な開発ドラマが好きな方、何かに熱中したい人
電子書籍サービス: Amazon Kindle、BOOK WALKER、楽天Koboなど主要各社で配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス: audiobook.jp で「音声ドラマ版」が配信中、羽多野 渉(渋川春海役)、上柳 昌彦(ナレーション)、冲方 丁(原作者・特別出演)ほか(2026年現在)

