セカンドライフの楽しみとして、歴代の本屋大賞第1位をすべて読むことに挑戦しようと思います。今までに読んだ作品もたくさんありますが、もう一度最初からじっくり読み返していく予定です。
エンターテインメントとして楽しむのはもちろん、一流の作家が持つ独自の世界観に触れることで、自分の世界を広げ、日々の暮らしに新しい刺激を取り入れたいです。洗練されたストーリーや文章から刺激をもらい、自分の感性を心地よく磨いていけたらと思っています。
これまでの本屋大賞第1位の作品を年代別にまとめましたので、ぜひみなさんの読書リストの参考にしてみてください。
本屋大賞のランキング1位は、全国の書店員が「今一番おすすめしたい」と熱意を込めて選んだ、その年を代表する最高に面白い一冊です。毎年4月頃に受賞作が発表されます。
2020年代の受賞作を振り返ると、現代社会の生きづらさや多様な人間関係に優しく寄り添う、深いテーマ性を持った感動作が目立ちます。専門家の視点から見ても、特に傑出した輝きを放つのが『流浪の月』と『52ヘルツのクジラたち』です。前者は世間の偏見に縛られない純粋な関係性を描き、後者は孤立した魂の響き合いを繊細に紡ぎ出しており、どちらも人の心の機微を捉えた至高の文学として高く評価されています。
一方で、惜しくも1位を逃しながらも同様に熱烈な支持を集めたのが、命の灯火が消えゆく場所での温かな交流を描いた『ライオンのおやつ』です。日常の尊さと他者への慈しみを優美な文章で表現した本作は、読者の心に深く残り続ける名作として専門家からも絶賛されました。こうした時を超えて愛される物語との出会いは、私たちの日常に豊かな彩りを与えてくれます。
イン・ザ・メガチャーチ 朝井リョウ 2026年(第23回)
2026年本屋大賞受賞、朝井リョウの『イン・ザ・メガチャーチ』。現代の「推し活」や「ファンダム経済」の熱狂をテーマに、人心操作の功罪を炙り出す長編です。世代も立場も異なる3人の視点から、熱狂が巨大なコミュニティを作り、信仰にも似た状態へ変貌していく様を活写しています。現実の不安から逃れるために人が「物語」に拠り所を求める心理を浮き彫りにし、現代社会の深部を鋭く抉り出す知的な傑作です。
◾️作品データ
発売日:2025年9月5日
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
受賞歴:2026年本屋大賞 大賞 / 第9回未来屋小説大賞 / 第2回あの本、読みました?大賞1位
初出:書き下ろし作品
構成・ボリューム:全448ページ / 世代や立場の異なる3人の視点で描く長編小説
キーワード:推し活 / ファンダム経済 / 界隈の沸騰 / 人心操作と物語の功罪
本に出てくる印象的な地域・場所:劇場・ライブ会場周辺 / 沸騰するオタクコミュニティ(界隈)
おすすめの読者:現代の推し活カルチャーに触れている人、SNS社会の心理戦や群衆心理に興味がある大人
電子書籍サービス:Amazon Kindle / BOOK☆WALKER ほか各主要ストアで配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:Amazon Audible(ナレーター:岩崎了、大森ゆき)(2026年現在)
カフネ 阿部暁子 2025年(第22回)
最愛の弟を突然亡くし、人生のどん底にいた主人公の薫子。弟の遺言をきっかけに出会ったのは、弟の元恋人で、家事代行サービスで料理を担当するせつなでした。正反対の二人が「食」や仕事を通じて人々の暮らしを整え、壊れかけた自らの心をも再生させていく温かな物語です。タイトルの「カフネ」とは、愛する人の髪にそっと指を通す仕草のこと。優しく切なく、心に深く染み渡る、本屋大賞受賞の傑作です。
◾️作品データ
作家:阿部 暁子(あべ あきこ)
発売日:2024年5月22日(単行本)
出版社:講談社
受賞歴:2025年本屋大賞 受賞 / 第8回未来屋小説大賞 受賞 / 第1回あの本、読みました?大賞 受賞
初出:『小説現代』2024年4月号(単行本化にあたり加筆改稿)
構成・ボリューム:全5章(単行本:320ページ)の連作短編風・長編小説
キーワード:食と癒やし、シスターフッド(女性同士の絆)、遺言書、家事代行サービス、魂の再生
本に出てくる印象的な地域・場所:家事代行サービス「カフネ」が訪れる、孤独や問題を抱えた様々な「一般の家庭(キッチン)」
おすすめの読者:日々の生活に少し疲れている人、心温まるヒューマンドラマや美味しい料理の描写が好きな大人世代
電子書籍サービス:Kindle / 楽天Kobo / 紀伊國屋書店Kinoppy / BookLive などの主要電子書籍ストアで配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:Amazon Audible(ナレーター:岸本百恵、再生時間:10時間31分)(2026年現在)
成瀬は天下を取りにいく 宮島未奈 2024年(第21回)
2024年の本屋大賞を受賞した宮島未奈さんのデビュー作です。主人公は、周囲の目を一切気にせず、独自の道を突き進む女子中学生の成瀬あかり。閉店を控える地元百貨店に毎日通うなど、彼女の奇想天外で真っ直ぐな挑戦の日々が爽やかに描かれています。他人に合わせがちな現代だからこそ、ブレない芯を持つ彼女の姿が心地よく、大人の心にも深く響く珠玉の青春小説です。
◾️作品データ
作家:宮島未奈(みやじま・みな)
発売日:単行本:2023年3月17日 / 文庫本:2025年6月25日
出版社:新潮社
受賞歴:2024年本屋大賞(第21回)、第39回坪田譲治文学賞、第20回女による女のためのR-18文学賞(トリプル受賞) など
初出:小説新潮(2021年5月号に掲載された「ありがとう西武大津店」など、各誌掲載作を収録)
構成・ボリューム:全6編からなる連作短編小説 / 単行本:208ページ
キーワード:青春、我が道を行く、友情、地元愛、M-1グランプリ、コロナ禍
本に出てくる印象的な地域・場所:滋賀県大津市(西武大津店、膳所駅周辺、琵琶湖、ミシガンなど)
おすすめの読者:人間関係に疲れを感じている大人、爽やかな感動を味わいたい方、新しい一歩を踏み出したい方
電子書籍サービス:Kindleストア、BOOK☆WALKER、楽天Kobo、コミックシーモア、ebookjapanなど主要サービスで配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:audiobook.jp 山崎綺、緒方佑奈ほか(総勢12名の声優陣によるドラマ形式の朗読)、Audible 鳴瀬まみ(単独ナレーションによる完全版朗読)(2026年現在)
汝、星のごとく 凪良ゆう 2023年(第20回)
瀬戸内の島で育った暁海と、転校生の櫂。心に孤独を抱えた二人が惹かれ合い、すれ違いながらも、それぞれの人生を模索する15年間を描いた恋愛小説です。家族の問題や社会の壁にぶつかりながら、既存の「正しさ」にとらわれず、自分たちの愛と生き方を貫こうともがく姿が胸を打ちます。大人の心に深く刺さる、切なくも美しい愛の物語を、圧倒的な筆致で描いた最高傑作です。
◾️作品データ
作家:凪良ゆう(なぎら ゆう)
発売日:単行本:2022年8月4日 / 文庫本:2025年7月15日
出版社:講談社
受賞歴:2023年本屋大賞受賞、第168回直木賞候補、2022王様のブランチBOOK大賞など
初出:『小説現代』2022年8月号(一部先行掲載)および書き下ろし
構成・ボリューム:全5章(単行本:352ページ / 文庫本:456ページ)
キーワード:ヤングケアラー、毒親、瀬戸内の島、遠距離恋愛、自立、社会規範、大人の恋愛小説
本に出てくる印象的な地域・場所:風光明媚な瀬戸内の島(今治市周辺の架空の島)、東京
おすすめの読者:家族や仕事の人間関係に生きづらさを感じる方、心に深く残る大人の恋愛群像劇を読みたい方
電子書籍サービス:Kindle、BOOK☆WALKER、楽天Kobo、BookLiveなど主要サービスで配信中(電子限定特典あり)(2026年現在)
オーディオブックサービス:Amazon Audible:柚木尚子、志村倫生(男女2名による丁寧な朗読)、audiobook.jp:長谷川育美、坂田将吾、三木眞一郎ほか計18名の豪華声優陣によるドラマ形式(2026年現在)
同志少女よ、敵を撃て 逢坂冬馬 2022年(第19回)
2022年の本屋大賞を受賞した逢坂冬馬氏の傑作『同志少女よ、敵を撃て』です。
第二次世界大戦下のソ連を舞台に、独ソ戦の渦中で家族を失い、女性狙撃兵として戦場に立つことになった少女の過酷な運命を描いています。
単なる戦争小説にとどまらず、戦いの中で生じる葛藤や、女性たちの連帯、そして「生きる意味」を深く問いかけるエンターテインメント小説です。圧倒的な熱量に、最後までページをめくる手が止まりません。
◾️作品データ
作家:逢坂冬馬(あいさか とうま)
発売日:単行本:2021年11月17日 / 文庫本:2024年12月11日
出版社:早川書房
受賞歴:2022年本屋大賞、第11回アガサ・クリスティー賞大賞、第9回高校生直木賞
初出:書き下ろし作品(第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞に伴い刊行)
構成・ボリューム:全6章(単行本:496ページ / 文庫本:608ページ)
キーワード:独ソ戦、女性狙撃兵、復讐と成長、女性同士の連帯、真の敵
印象的な地域・場所:イワノフスコエ村(主人公の故郷)、中央女性狙撃兵学校、スターリングラード(激戦地)
おすすめの読者:人間の心理描写が深く読み応えのある歴史小説・エンタメ小説を求める大人の読者
電子書籍サービス:Amazon Kindle、楽天Kobo、honto、BookLive!など主要サービスで配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:Amazon Audible(ナレーター:青木瑠璃子)(2026年現在)
52ヘルツのクジラたち 町田そのこ 2021年(第18回)
2021年本屋大賞を受賞した町田そのこさんの感動作です。タイトルのクジラとは、仲間には聞こえない高い周波数で鳴く、世界で最も孤独な存在。そんなクジラのように、誰にも届かない心の叫びを抱えた女性と少年が出会うところから物語は始まります。痛みに寄り添い、傷つきながらも新たな絆を築いていく二人の姿は、現代を生きる私たちの心に深く響きます。切なくも温かい、救済と再生の物語です。
◾️作品データ
作家:町田そのこ(まちだ そのこ)
発売日:単行本:2020年4月21日 / 文庫本:2023年5月25日
出版社:中央公論新社
受賞歴:2021年本屋大賞 第1位、王様のブランチ BOOK大賞2020、第4回未来屋小説大賞
初出:書き下ろし作品(単行本にて初登場)
構成・ボリューム:全4章(単行本 264ページ / 文庫本 320ページ、巻末解説:内田剛)
キーワード:児童虐待、ヤングケアラー、トランスジェンダー、孤独と再生、魂の番(つがい)
本に出てくる印象的な地域・場所:大分県ののどかな海辺の町(主人公・貴瑚が移り住んだ、祖父の家がある一軒家)
おすすめの読者:人間関係に疲れて心を癒やしたい方、深い感動と生きる活力を得られる社会派の人間ドラマを読みたい大人の読者
電子書籍サービス:Amazon Kindleストア、楽天Kobo、BOOK☆WALKERなど主要サービスで配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:Audible・audiobook.jp(ナレーター:安田愛実、再生時間:約9時間48分)(2026年現在)
流浪の月 凪良ゆう 2020年(第17回)
2020年本屋大賞を受賞した、凪良ゆう氏による傑作小説です。かつて「誘拐事件の被害女児と加害者」という刻印を背負わされた二人の男女が、15年の時を経て再会します。世間の偏見や「かわいそう」という勝手な善意に晒されながらも、二人は恋愛とも友情とも違う、名前のつかない唯一無二の絆を紡いでいきます。事実と真実の乖離を静かに問いかけ、人間の深い愛と救いを描いた、私たちの心に深く響く感動作です。
◾️作品データ
作家:凪良(なぎら)ゆう
発売日:2019年8月29日(単行本) / 2022年2月26日(創元文芸文庫)
出版社:東京創元社
受賞歴:2020年 第17回本屋大賞 受賞、第41回吉川英治文学新人賞 候補
初出:書き下ろし作品
構成・ボリューム:全5章構成 / 単行本 320ページ(文庫版 355ページ)
キーワード:誘拐事件の真実、世間の偏見、無条件の絆、プラトニック、自己救済
印象的な地域・場所:緑豊かな雨の公園、アンティーク調の喫茶店「calico(キャリコ)」
おすすめの読者:周囲の「正しさ」に生きづらさを感じる方、人間ドラマの深い余韻に浸りたい大人の読者
電子書籍サービス:Amazon Kindle、eBookJapan、楽天Kobo、hontoなど主要サービスで配信中(2026年現在)
オーディオブックサービス:audiobook.jp(主なナレーター:大空 直美、小林 千晃、木島 隆一 ほか計13名による配役)、Amazon Audible(ナレーター:土師 亜文)(2026年現在)

